子供だけの心因性視力障害【2】 その治療

子供に思わぬ視力低下をもたらす心因性視力障害は、保護者に大きな戸惑いを与えるようです。しかし、目それ自体には何らの異常もありませんから、心理的原因が解消されれば、確実に視力が回復します。
しかし、心因性視力障害を引き起こしているストレスの原因を取り除くことは、かならずしも容易ではありません。病院での治療には保護者同伴が必須ですが、保護者だけでなく、学校の先生にも事情をたずねたり協力を依頼したりする場合があります。従って、時間をかけて経過を見守るということになりがちです。ただし、この視力低下は、あくまでも小中学生のころを中心とする一時的な症状に過ぎないので、ことさらに心配する必要はありません。

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実際の治療では、薬効成分を含まない目薬が効果を発揮することがあります。また、メガネ願望の子供には、度のないメガネをかけてもらうこともあります。一方、心理的なショックが大きい子供を除いて、内服薬などの薬剤が使用されることはありません。治療はすべてケースバイケースであり、それぞれの子供に特有のストレス原因を取り除くことをめざして行なわれます。

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治療に要する期間は、通常1年以内です。特に小学生の場合は暗示療法が効果的であり、70〜80%の患者が視力1.0まで回復します。もっとも、中学生の場合には心理的原因の複雑なケースが少なくないため、長引くことがあります。そのようなときには、小児科の心身症専門医などの診察を受けなければならない場合もあります。しかし、本当の原因は子供の側にあるわけではなく、子供の置かれた家庭環境や学校環境にあるケースが大半です。心因性視力障害の治療でもっともむずかしいケースは、子供のストレスの原因が両親の不仲や離婚、親の過干渉、暴力といった家庭内の諸問題にあった場合です。

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